△ABCの∠B、∠Cの 角の二等分線とAC、ABの交点を それぞれ、D,Eとする。 BD=CEならば、 AB=ACを証明しなさい。 |
(Steiner-Lehmus theorem) 上の問題はシュタイナー・レームスの定理と呼ばれる 問題です。リンデンがこの問題をはじめてみたのは 栗田稔先生著「大学への数学 問題はどう作られる のか」(東京出版)からでした。 下記の証明↓はそこに載っていたものです。 |
【証明】 △ABCにおいて、 ∠B<∠C ならばEC<BDを証明する。 ∠B<∠C とすると ∠B/2<∠ECA 図のようにBD上の∠DCEの内部に ∠B/2=∠ECFとなる点Fをとると、 4点E,B,C,Fは同一円周上にあり ∠BCF=(∠B+∠C)/2<90° ∠CBE<∠BCF<90° 鋭角の円周角であれば、円周角が 小さければ、それに対する 弦の長さも小さくなるので、 EC<BF よって、EC<BD … @ ∠B>∠C とすると、同様に EC>BDが成り立ち … A ∠B=∠C とすると、明らかに 二等辺三角形ABCから、 EC=BD … B @、A、Bから、転換法によりBの逆の EC=BDならば、∠B=∠Cが成立 |
【転換法】 命題 A1→A2、B1→B2、C1→C2 …が成り立ち仮定のA1,B1,C1…が すべての場合をつくしていて 結論のA2,B2,C2…はどの2つも 両立することはない。 このとき、 逆の命題A2→A1、B2→B1,C2→C1 …はすべて成り立つ。 |
シュタイナー・レームスの定理を 直接しようとすると、下↓の補題を証明して、 角の二等分比や、等式の関係で ガンガンやっていけばよい。 (上の図で、EC=BDを、 EC^2=BD^2として使う…) 〜とまあ、解析的に解くわけですが… 証明略 (↑こういうのをうちの田舎では、 「ひゅーなし」といいますが…) |
【補題】 ↓の△ABCの線分ADは∠Aの二等分線 のとき、 AD^2=AB×ACーBD×DC が成り立つ この証明は その1 余弦定理を用いる。 その2 △ABCの外接円を書きADを延長し、 円に内接する四角形で考える。 |
上の補題の結果は知っておくと高校生の模試あたりで1つのツールなると思います。高校では、∠BACが有名角で、面積を用いて、ADの長さを知ることが多いのですが、ADの値がストレートに出てきます。ADを「チェバ線」という表現もあります。この続きや別解を知りたい方は↓のサイトを訪問してください。 |
【私的数学塾】S.H's Homepage for mathematics >「私の備忘録」 >幾何学分野>「Steiner-Lehmusの定理」 |
数学の部屋>「図形問題シリーズ」 >『二等辺三角形?』にあります。 |
水の流れ>「流れ星」 >No.177(左フレームの過去問)にあります。 |
上記の栗田稔先生著「大学への数学 問題はどう作られるのか」定価1800円(東京出版)は2008年11月にヤフオクでの落札金額が13100円でした。アマゾンでの中古本が2万円台学習参考書なのにドーシテ?あと山本矩一郎先生のヨヨヨギライブラリーの尻もミョーニ高杉。秋山仁先生の駿台文庫の尻も高杉。管理人もそれぞれの尻は何冊かは持っていますが、そりゃーうれしいけどどうかしている。モノグラフみたいに復刻本がでてきて、値段が下がったらいいのに…roudai氏(参考書博物館の館長さん→リンクのページ)の情報から学習参考書専門の古本屋 を教えていただきました。 http://www.bookbank.jp/gakusan/post_2.html |